チェスの勝ち方を覚える中盤戦術
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チェスを覚えたばかりのころは、序盤に駒を並べ終えたあと、盤上のどこを狙えばよいか迷いやすいものです。チェスの勝ち方を身につけるうえで鍵となるのは、相手のキングを詰める前段階として、中盤で相手の駒を着実に取って戦力差を広げることです。
盤上で相手の弱点を突く代表的な小技を戦術(タクティクス)と呼びます。中盤で特に決まりやすい技には、1 つの駒で 2 つ以上の駒を同時に狙うフォーク、前方の駒を縛って奥の駒を守らせるピン、そして価値の高い駒をどかして奥の駒を捕らえるスキュアがあります。まずは基本となる技の性質を整理して覚えましょう。
1つの駒で同時に狙うフォークの威力
図1の局面を文字で見る
白:キング g1、ナイト c7、ポーン f2・g2・h2
黒:キング e8、ルーク a8、ポーン a7・b7・f7・g7・h7
手番:黒
強調のマス:c7(注目)、e8(悪い)、a8(悪い)
FEN:r3k3/ppN2ppp/8/8/8/8/5PPP/6K1 b - - 1 1
この図では、白のナイトが c7 に飛び込み、e8 の黒のキングと a8 の黒のルークを同時に攻撃しています。キングは取られるわけにいかないため、黒は手番でキングを安全なマスへ逃がさなければなりません。その隙に白は a8 のルークをナイトで取ることができます。このように相手が同時に両方を守れない状況を作るのがフォークです。
フォークはナイトだけでなく、前進するポーンや可動域の広いクイーンでも仕掛けることができます。相手が駒を不用意に同じ筋や段、またはナイトの利きが重なる距離に並べた瞬間が、フォークを狙う好機となります。
| 戦術名 | 攻撃の形 | 狙いやすい駒 |
|---|---|---|
| フォーク(両取り) | 1つの駒が同時に2つ以上の標的を狙う | ナイト、ポーン、クイーン |
| ピン(釘付け) | 奥にある大事な駒を盾にして前方の駒を動けなくする | ビショップ、ルーク、クイーン |
| スキュア(串刺し) | 手前の貴重な駒を攻撃し、逃げた背後の駒を取る | ビショップ、ルーク、クイーン |

相手の動きを縛るピンの仕組み
図2の局面を文字で見る
白:キング e1、クイーン d1、ルーク a1・h1、ビショップ g5・f1、ナイト c3・g1、ポーン c4・d4・a2・b2・e2・f2・g2・h2
黒:キング e8、クイーン d8、ルーク a8・h8、ビショップ c8・f8、ナイト b8・f6、ポーン a7・b7・c7・f7・g7・h7・e6・d5
手番:黒
強調のマス:g5(注目)、f6(悪い)、d8(悪い)
矢印:g5→f6(脅し)
FEN:rnbqkb1r/ppp2ppp/4pn2/3p2B1/2PP4/2N5/PP2PPPP/R2QKBNR b KQkq - 3 4
この図では、白のビショップが g5 から斜めの利きを伸ばし、f6 にいる黒のナイトを狙っています。黒のナイトの背後には d8 のクイーンが控えています。もし黒が f6 のナイトを別のマスへ動かすと、背後にある大事なクイーンを白のビショップで取られてしまいます。そのため、黒のナイトは実質的に f6 から動けなくなっています。
背後にある駒がキングである場合、ルール上その前の駒を動かすことは反則手となります。これを絶対的なピンと呼びます。背後がクイーンなど貴重な駒である場合は動かすこと自体は可能ですが、大きな戦力損失につながるため相手の動きを強く制限できます。ピンされた駒は防衛の役目を果たせなくなるため、さらにポーンなどで攻撃を重ねると確実に仕留めやすくなります。
- 直線上に並んだ駒を探す: 相手のキングやクイーンと同じ列・段・斜線上に味方のビショップやルークを合わせます。
- 動けない駒を攻め立てる: ピンで足止めした駒に対して、価値の低いポーンなどを接近させてプレッシャーをかけます。
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覚えた手筋は、盤の上で試すと身に付きます。AI は端末の中で考えるので、電波が無い場所でも最後まで対局できます。
手前をどかして奥を射抜くスキュアの技
図3の局面を文字で見る
白:キング g1、ルーク e1、ビショップ b5
黒:キング e7、ルーク e8
手番:黒
強調のマス:e1(注目)、e7(悪い)、e8(悪い)
FEN:4r3/4k3/8/1B6/8/8/8/4R1K1 b - - 1 1
この図では、白のルークが e1 からまっすぐ縦の列を攻撃し、e7 にいる黒のキングにチェックをかけています。黒はキングを安全なマスへ逃がすしかありませんが、キングがどいた直後に、背後の e8 に残された黒のルークを白のルークで取ることができます。
スキュアは日本語で串刺しを意味し、手前にある重要な駒を狙うことで相手に回避を強要し、その背後にある別の駒を奪い取る手筋です。ピンとは手前と奥の駒の価値が逆になっている点が特徴です。終盤戦などでキングとルークが同じ筋に並んだ際によく現れます。
スマートフォン向けアプリの『チェス 皇帝ナポレオン 盤上のワーテルロー』では、コンピューター相手にじっくり腰を据えてこうした戦術の機会を実戦の中で探す練習ができます。
中盤戦術を実戦で成功させる心得

フォーク、ピン、スキュアといった戦術を実戦で決めるためには、盤面を漫然と眺めるのではなく、特定の配置の癖に着目する習慣を身につけることが大切です。守られていない無防備な駒や、同じ直線上に並んだ大駒は格好の狙い目になります。
- 無防備な駒を探す: 味方の駒で紐がついていない相手の駒は、フォークの両取りの標的になりやすいです。
- 直線上の重なりを見る: キングやクイーンと同じタテ・ヨコ・ナナメの線上に別の駒が重なっていないか警戒します。
- 王手になる手を意識する: 相手のキングへのチェックを絡めた攻撃は対応を強制できるため、反対側の駒を確実に奪えます。
中盤で相手から駒を 1 つでも多く奪うことができれば、その後の終盤でキングを追い詰めるチェックメイトの道筋が格段に描きやすくなります。まずは 1 局ごとに 1 つでも技の形を見つける意識を持ち、着実に勝ち方を身につけていきましょう。
よくある質問
チェスで勝つための基本条件は何ですか?
相手のキングを逃げられない形で攻撃してチェックメイトにすることです。盤上の駒をすべて取る必要はなく、相手キングを追い詰めた時点で勝利が決まります。
フォークとピンの違いは何ですか?
フォークは1つの駒で同時に2つ以上の駒を攻撃する技で、ピンは奥の駒を盾にして前方の駒の移動を縛る技です。狙う配置や駒の並びが異なります。
スキュアが決まりやすい場面はどこですか?
相手のキングやクイーンの背後に別の駒が一直線に並んだ場面です。手前の価値の高い駒が攻撃を避けて逃げた際に、背後の駒を取ることができます。
中盤で駒得したあとはどう指せばよいですか?
安全に駒を交換して盤上を整理し、相手のキングを詰める終盤へ進めます。戦力差が広がると相手の反撃手段が減り、勝ちやすくなります。
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